スピーチ『巻き巻き構想』

「イントロビデオ」

バツベンのきっかけになった「ごじょうめびじょん発表会」より。2014.01.18

「この町に明日はない!」



 どう考えてもこの町に未来はありません。
 なのに、当の町民は、これっぽっちも危機感を抱いてないという現実。
 これはもはや末期的です。

 危機意識が芽生えない最大の原因は、いろんな意味でこの町が「中途半端」だからです。

 人口1万という行政規模はいかにも中途半端。
 都市部からのアクセスもそう。便利ではないが、さりとてメチャメチャ僻地でもないという立地の中途半端。
 産業もそうです。農林資源がそこそこあるがゆえに、決して豊かではないが飢え死にすることもないという経済の中途半端。

 こういったいろんな「中途半端」が、この町の住民に、切羽詰まった危機感を抱かせないまま、ここまできてしまったのです。

 皆さん、「ゆでガエル」の話をご存じでしょうか? 

 熱いお湯にカエルを入れると驚いて飛び跳ねます。
 けれども、常温の水から徐々に熱していくと、カエルはその水温に慣れていきます。
 そして熱湯になった時には、もはや跳躍する力を失い、飛び上がることさえできず、ゆで上がってしまうというアレです。

 まさに今「ゆでガエル」寸前の町、それが五城目です。

「古い水夫は要らない!」



 そしてもう一つ。
 この町の未来を暗〜くしているもの要因があります。
 それは「古い水夫」が多過ぎるということです。

 はっきり言います。
 「古い水夫」は要りません!

 「古い水夫」とは、決して年齢だけを指して言っているのではありません。

 頑迷で、保守的で、封建的で、自分では一切リスクを負わないで、保身ばかり考えているくせに、新しいことを始めようとする人に対して、訳知り顔で説教をたれ、「やめろやめろ」と足を引っ張る人たちのことです。

 幸いなことに私は、この数ヶ月、チャレンジ精神旺盛な若者たちと会い、彼らと話をする機会に恵まれました。
 その中で、何度も何度も自問自答したことがあります。

 オレ自身、古い水夫に成り下がってしまってはいないだろうか?

 ダメだ、ゼッタイに「古い水夫」にだけはなりたくない! 

 そう思いました。

 そして「古い水夫」にならないためのたった一つの方法を見つけたんです。
 それは、自分がもう一度「新しい水夫」になることでした。
 私は過去に会社を起こし、失敗してここに戻ってきた人間です。
 そんな私が、今もう一回、この場所から、再起しようと決意したわけです。

「ドチャベン、エリベン、バツベン」

ドチャベン

 「ドチャベン」とは、私が作った造語で「土着ベンチャー」の略です。
 その土地に根を張った人たちが起こす泥臭いベンチャーです。
 彼らの弱点は、起業や経営のノウハウが足りないということです。
 ですから知識面のアドバイスが必要になります。

 それとは対照的に、都会の人たちが起こすスマートなベンチャーを「エリートベンチャー」と私は呼びます。略して「エリベン」です。
 弱点はちょっとした挫折でくじけてしまうことです。
 彼らには精神面の鍛錬が必要。

 さらにさらに、私のような、人生で失敗した経験のある、つまり「バツがある」人間の再起というのも、ごくまれにですがあります。
 バツがある人のベンチャーですから「バツベン」です。
 これは強いですよ。ハンパない苦労してますからね。
 どんな逆境にも耐えていけます。
 倒れても、また倒れても何度でも立ち上がる胆力バリバリ人間です。
 ただ一つ、一度倒れた人間が表舞台に出てくるには、相当な覚悟と勇気と周りの人の協力が要ります。

 さて、私はこれから、自らも「バツベン」をやりつつ、それぞれのベンチャーに寄り添って、私なりの私にしかできない方法で彼らを応援したいと思っています。
 この春から、具体的にさまざまな活動をしていく予定です。


 この町においては、地域のヒーロー、救世主となるような土着ベンチャー、「ドチャベン」をたくさん輩出する活動をしていきたいと目論んでいます。
 ドチャベンが増えれば、結果としてこの町に「雇用」生まれ、町の「財政」は潤い、町民は豊かになります。

 10年後、「ドチャベン日本一の町」にすることが目標です。
 そのための方策もいろいろ考えていますが、今日はもう時間がありません。

「五城目巻き巻き構想」

 『巻き巻き構想』についても、ほんのさわりだけになります。



 「巻き」は2つあります。

 まず一つ目の巻きは「巻き起こす」の巻き。

 地元に旋風を巻き起こす「ベンチャースピリッツを持ったヒーロー」をたくさんつくることです。
 つまり「ドチャベン養成、トラの穴プロジェクト」と呼んでもいい活動です。

 もう一つの巻きは「取り巻き」の巻きです。



 土着ベンチャー「ドチャベン」を地元の人たちが取り巻き、彼らのファンクラブになって応援する風土をつくることです。

 実は、この「巻き巻き」には思い入れがあって、ここで仕事をさせてもらおうと決めた時、一番初めにやりたかったのが「五城目町地域活性化支援センター」などという長ったらしい名前をやめて『巻き巻き館』とか『巻き巻き小学校』に改名したかったくらいなんです。実現しませんでしたけど・・・。

 本来、ベンチャー精神は地域の風土から生まれ、地域が育むものなのに、残念ながら、この五城目町には育むどころか、他人の成功を「そねむ」風習がはびこっています。
 ですからこの作業は時間もかかり非常に難しい作業と思いますが、この「ベンチャーヒーロー取り巻き隊」の結成はゼッタイ避けては通れません。
 この構想も、話したいことはたくさんありますが、今日は時間がありません。

「(持論)何をやるかよりも誰がやるか!」

 最後にひと言。

 私の持論です。

「何をやるかよりも誰がやるか!」
 すべては「人そのもの」にかかっています。



 そのことをお伝えして、私の発表を終わりたいと思います。
 伝えきれなかったことは、この後の懇親会、二次会でお話しできればうれしいです。



 ご清聴ありがとうございました。
 私が生まれた故郷五城目町に愛と希望を込めて!(2014_01_18)伊藤靖



『ごじょうめびじょん発表会』ちらし

ブログ『もう一回!』by BATSUBEN

臆病風に吹かれることは万死に値する罪であり、これ以上の恥辱はない。